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印鑑と印刷のスタンプリント 板橋志村店 の日記

運の良くなる印鑑なんてあるのか?!

2010.12.28

いわゆる「開運印鑑」というものがあります。「印相体」(「吉相印」「八方篆書体」)という歴史の浅い日本独自の書体で彫られたもので、これで実印やら銀行印を作って身につけると、お金が貯まったり、病気にならなくなる、一言で言えば運が良くなる…というものだそうです。
済みません r(^~^*) 私もハンコ屋の末席をけがしていますけど、正直、こういう話は全く信じていません。開運印鑑がインチキなのはハンコの歴史をひもといてみれば、すぐに分かることです。(そのあたりの説明は長くなるのと、私よりもっと詳しいハンコ屋諸氏がいるので、ここではしません) でもどうしてよりによって「ハンコ」なんでしょう? 運の良くなる傘、病気が治る鉛筆、良縁に恵まれる入れ歯…だってあってもいいと思いませんか? ハンコは実印に代表されるように自分を証明するこの世でたった一つの大切なモノだから? では、印鑑制度のない、世界中の殆どの国の人々は、ハンコがないから運命も無いの? 日本でも明治以前の一般庶民はハンコなんて持っていなかったでしょう?? 考えれば考えるほど、おかしな話です。
例えば、薬にはいわゆる「効能書き」というものがあります。この薬を飲めば、「頭痛が治る」「よく眠れる」「滋養強壮に効く」などなど。お客さんは、薬を買うといっても、本当は薬のこうした「効能」を買うわけです。これでもし、薬屋がメリケン粉を薬だといって売ったら、これは紛れもなく詐欺ですよね。(中には「病は気から」で治ってしまう人もいるかもしれませんが…)ハンコだって同じです。「運が良くなる」と「効能」をうたって販売したら、売り手はそこにある種の「責任」が生じるわけです。むろん薬がそうであるように、中には効く人、効かない人がいるのは仕方ないかもしれません。しかし少なくとも、自分の商品が「メリケン粉」でないことだけは、証明できないと詐欺になります。薬は発売前に長期にわたる様々な治験(臨床実験)で効果を確認してから市販されます。開運印鑑で商売されているはんこ屋さん!、「開運印鑑」はどんな「治験」を行っていますか? たとえば自他共に認める運の悪い男女100人を集めて、全員に「開運印鑑」をプレゼントして、一年後にそれらの人たちの運命の変化をリサーチして、「運が良くなった」「変わらない」「悪くなった」のパーセンテージを調査しましたか?
例えば正直なハンコ屋さんの態度とは、以下のようなものです(笑)
お客さん 「ごめんください、運の良くなるハンコが欲しいんですけど…」
ハンコ屋 「ありません」
お客さん 「よく雑誌なんかで広告見かけるんですけど…」
ハンコ屋 「ありません」
お客さん 「え~、無いんですか。(何て品揃えの悪いお店…店主の愛想もムチャ悪いし…) だったらよそにいこうかしら…」
ハンコ屋 「俺が彫ったハンコで運が良くなるなら、俺も今頃ハンコ屋なんて商売やってねーや! とっとと、よそ行きやがれ。ブツ、ブツ…」
この会話のやりとりは半分冗談ですけど、こういう職人気質?の偏屈オヤジの方が、やさしくモミテをして開運の効能を説くハンコ屋より、よほど人間としては上等にちがいありません。(お客様に対する対応の仕方はもちろん問題です・笑)
以前、壺を目が飛び出るような高額で買わせる「霊感商法」事件がありましたよね。最近は某宗教団体が印鑑で同じような事件を起こしました。モノによって「御利益がある」、「運が開ける」、根は同じです。でもモノはモノ、単なる「物質」に人間の運命を左右する力なんてあるはずがありません。もし「運命」というものがあるのならば、不断の努力と忍耐によって、自ら切り拓いてゆくべきものでしょう。
開運印鑑を専門に販売していた店がいつの間にか不景気で店をたたんでいた、なんて笑い話もどこかのブログに載っていました。皆様、どうかお気を付けください。

追記
 上記のように「開運印鑑」(吉相印)は、「印相体」という特殊な書体で彫られた印鑑です。当店もお客様の要望に応じて、これをご提供することは出来ますし、過去にその事例もあります。ただ、「運が良くなる」と言って売ることは絶対ありませんし、他の書体に比べて料金を上乗せするということもございません。お客様に「縁起が良さそうなので気分的にこれがいい」と言われれば、むげに断ったりはしません。そのくらい、この由来の怪しい、歴史の浅い書体(昭和37年以降世に広まりました)がメジャーとなってしまったことに驚きと戸惑いを感じます。
★正しいハンコのご用命は、是非、東京都板橋区の印章店【スタンプリント】まで!
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★本記事は、弊店の過去のブログを一部改変して、掲載しております。

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